工学部基盤工学科の特徴
基盤工学科では、1年生は「基礎教育ターム」。数学、物理、化学、光、プログラミング、生命、感性など、現代の問題解決に必要な基礎知識を幅広く学びます。
そして2年生以降は「専門教育ターム」。物質環境化学コース、機械システム工学コース、情報電子オプティクスコースから1つのコースを選び、専門性を深めていきます。
1年次:「基礎教育ターム」
工学部共通科目
2年次から:「専門教育ターム」
専門科目
学部の教育・研究方針
工学部の使命は、専門的知識と、統合した工学知と、3C精神を基盤としてイノベーションを実現し、グローバル化した社会の発展に貢献するプロフェッショナルを育成することです。また、そのための質の高い研究を推進することを通して、社会からの信頼と負託に応えることを理念としています。
工学部では、工学分野の基礎学力を重視しながら、データサイエンス教育、特色である光工学教育、デザイン力(問題発見・解決力)教育、分野横断的教育を組み合わせ、専門的視点だけではなく、関連分野を複合的に捉える俯瞰的視点や異分野コミュニケーション能力をあわせもつ人材を養成します。また、最先端から基礎科学にわたる幅広い分野の研究を通して、実践的なデザイン力を育成します。
1 光工学
光工学は、エレクトロニクス・情報工学・環境工学・生命科学など広汎な分野と密接に関連しており、多くの産業で必要とされている学問分野です。特に栃木県は、光産業を重点振興産業としており、光工学の知識を有する人材への期待は非常に高まっています。宇都宮大学工学部では、国内有数の光工学研究拠点であるオプティクス教育研究センターと連携して、光に関する入門的講義から、大学院レベルの最先端光技術の講義まで体系的な科目群を用意し、優れた光学技術分野の人材育成を行っています。
2 人間と感性の工学
工学の対象となる人間を総合的に理解するために感性や生命の教育・研究を行っています。教育では、『感性科学入門』や『生命人間科学』の講義で、工学の視点で見えてくる人間像や、技術と人間の関係を教授します。研究では、医療・文化等の分野融合による新しい工学の創造に挑戦すると共に、地域連携による伝統工芸品の魅力発信システムの開発にも取り組んでいます。
3 工農連携
「ロボティクス・工農技術研究所」を2018年6月に設置。国のプロジェクトである地域科学技術実証拠点整備事業「先進的ロボット技術による地域潜在力イノベーション推進拠点」として、光センシングやネットワーク技術を駆使した農業ロボットシステム、味覚・食感評価などによって、工農連携による地域イノベーションを牽引します。
4 医用生命工学
「人生100年時代」といわれる現代において、人の健康や生命を支える医療の果たす役割は日に日に大きくなっており、工学分野はこれまでも、医療が抱える諸課題の解決に取り組んできました。宇都宮大学工学部では、新たに「医用生命工学」を重点研究分野として設定し、これまで培ってきた医療に関する工学の知見を融合・連携させ、イノベーションの創出、医用生命工学技術の社会実装を目指しています。
アドミッション・ポリシー
工学部基盤工学科のアドミッション・ポリシーは以下のとおりです。
- 求める学生像
- 知識・技能
- 工学の専門分野を学ぶ上での基礎となる高等学校までの科目の学習内容を十分理解している人
- 高等学校の教育課程を踏まえた広範な基本的な学力と思考力を備えている人
- 思考力・判断力・表現力
- 科学的,論理的に思考し、判断や表現ができる人
- 工学の専門分野に興味と関心があり,学習の熱意や意欲及び行動力をもつ人
- 主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度
- 主体性をもちつつ、さまざまな人々と協働して学ぶ姿勢や必要なコミュニケーション力をもつ人
- 知識・技能
- 入学者選抜の基本方針
- 一般選抜(前期日程)
- 大学入学共通テスト及び個別学力検査等の結果,並びに出願書類を総合して選抜を行います。大学入学共通テストでは広く基礎学力を評価します。個別学力検査においては,記述式の問題等により数学,理科,および英語の基礎学力と思考力を評価します。
- 出願書類(調査書)では,主体性を持ち,多様な人々と協働しつつ学習する態度を中心に評価します。
- 一般選抜(後期日程)
- 大学入学共通テスト及び個別学力検査等の結果,並びに出願書類を総合して選抜を行い,全教科にわたる習熟度を評価します。
- 個別学力検査等では小論文により,自然科学や科学技術に関する基礎的知識,思考力,判断力及び表現力を問います。
- 出願書類(調査書)では,主体性を持ち,多様な人々と協働しつつ学習する態度を中心に評価します。
- 学校推薦型選抜Ⅰ
- 出願書類,本学で実施する基礎的能力試験,面接の結果を総合して選抜を行います。高等学校等における学業成績と,理数系分野に対する熱意と能力を重視します。
- 基礎能力試験では理数系分野の基礎知識と論理的思考力をみます。数学,物理,化学,英語など高等学校等で学修する内容に関する基礎知識や論理的思考力を評価することを目的とします。
- 面接は,理数系の基礎的な能力,適性,学修意欲,コミュニケーション能力などを評価します。
- 一般選抜(前期日程)
ディプロマ・ポリシー
工学部基盤工学科の学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー;DP)は以下のとおりです。
- 工学の基礎的能力を備え,専門分野における知識・技術を修得し,問題発見・問題解決に向けて活用できるデザイン力を身につけている。
- 工学の幅広い視野を備え,新たな差異を生み出す意欲と能力を身につけている。
- 工学技術者としての自覚と倫理観,キャリア観,ならびに幅広い教養と,物事を多面的に理解する能力を身につけている。
- 自らの考えをまとめ,発表・討論できる創造的能力およびコミュニケーション能力を持ち,他者と協働する能力を身に付けている。さらに国際的に通用する人材としての基礎的知識を修得し,社会に貢献できる能力を身につけている。
- 主体的,継続的に学修を進める自己啓発の意欲と能力を身につけている。
カリキュラム・ポリシー
【教育課程編成の方針】
基盤工学科では,工学分野における多様な分野の知識や技術を有機的に統合して,社会における課題解決の場面に応用できる専門職業人を育成するカリキュラムを編成します。
【教育内容の学修方法】
- 初期導入教育,リテラシー教育(英語や情報処理基礎など),工学基礎教育(数学,物理,化学),およびデータ科学教育(プログラミングなど)などを主に1~2年次に配置します。
- 人文科学・社会科学・自然科学系の幅広い教養教育を主に1~3年次に配置します。
- 光工学に関連した科目群を全コースに配置します。
- 基礎的専門分野とそれに続く応用的専門分野の教育を各コースで系統的に,主に2~4年次に配置します。
- 分野横断型教育を全学年に亘って実施します。
- 「生み出す力」を育むデザイン力養成科目を全学年に亘って実施します。
- アクティブラーニングを取り入れた教育を全学年に亘って実施します。
- 工学と社会との接点を正しく捉え,考え,行動する力を養うことを目的として,工学倫理教育を実施します。
- 総合的・統合的能力の醸成と主知的・継続的学修の集大成として卒業研究を4年次で実施します。
【学修成果の評価方法】
学習成果の評価は,授業科目ごとに定める達成目標に応じ,科目の態様に従って,試験,レポート,作品,発表などにより評価します。