教員詳細
Teaching staff detail
研究のテーマ
生物工学
高分子材料を用いた微生物の代謝機能制御、合成プローブによるタンパク質の標識
研究内容
単細胞生物である細菌の中には、特定の化学構造を有する低分子シグナル物質を分泌・取り込むことで周囲に存在する同種細菌の密度を感知して日和見感染症やう蝕などの集団行動をオン・オフにする細胞間コミュニケーション機構を有するものが存在します。
当研究室では、シグナル物質を分解する酵素を固定化したヒドロゲルやファイバー不織布あるいは疎水性相互作用等によりシグナル物質を捕捉・除去可能な高分子材料の設計と、日和見感染菌の病原性発現抑制効果の検証を行っています。
バイオアッセイにより病原性因子の生産量が減少しているかどうかを調べたり、病原性因子の生合成遺伝子をコードするmRNAが作られないことをリアルタイムPCR法で評価したりしています。また、低分子シグナル物質を分子認識し遺伝子発現のオン・オフを制御している受容体タンパク質を選択的に標識・取得可能なプローブ分子を有機合成し、土壌や海洋、動物の腸内などの環境中に棲息する微生物同士のコミュニケーションの全貌を明らかにすることを目指して研究を行っています。
