教員詳細

Teaching staff detail
荷方 稔之

応用化学コース

荷方 稔之助教

Nikata Toshiyuki

研究のテーマ

細菌の走化性による物質認識能力を利用した新規生物学的除去技術および新規化学物質検出システムの創成

研究内容

多くの細菌は⽔の中を泳ぐことができます。普段はランダムに泳いでいますが,好きな物質が近くにあるとその物質に集積し,嫌いな物質からは逃げていきます。
これは「⾛化性」と呼ばれ,⾼感度(nMレベル), 迅速性(ミリ秒), 選択性の3つの特徴を有しています。我々は⾛化性を細菌が有する物質認識能⼒として捉え,その特徴を利⽤した⼯学的応⽤を目指しています。例えば内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)などに走化性を示す細菌を自然界から分離し、それら細菌が持っている化学物質を感知する走化性センサータンパク質を単離して利用することで、新規化学物質検出システムの開発を行っています。
また環境汚染物質で汚染された土壌において、汚染物質を分解するだけでなく、走化性を示して汚染物質に自ら集積する細菌を汚染現場から効率的に分離しそれらを積極的に利用する新規生物学的除去技術(バイオオーグメンテーション)の開発を目指し、磁化活性汚泥法と呼ばれる培養法を用いてビスフェノールAや1,4-ジオキサンなどの環境汚染物質を分解する走化性細菌の分離を行っています。

荷方 稔之-研究内容資料