教員詳細
Teaching staff detail
機械システム工学コース
馬渕 豊教授
Mabuchi Yutaka
研究のテーマ
自動車用エンジンや電気自動車用減速機の超低摩擦技術
モーターやバッテリー冷却のための高熱伝導化技術
研究内容
<超低摩擦技術>新素材である炭素材料のナノダイヤモンド、フラーレン、グラフェンを用いることで、極低摩擦を実現します。数nmから数百mのこれらの粒子は表層に炭素の2重結合を有しますが、摩擦により炭素へ水酸基の官能基を形成することが知られてます。この官能基と、水や潤滑油中の極性を持つ添加剤との間で水素結合を形成し、表層に低摩擦層を形成します。この構造を保ったナノ粒子が摩擦部位に巻き込まれることで、極低摩擦を実現し、エンジンや電気自動車の減速機への応用により燃費の向上が期待されます。
<高熱伝導・高熱伝達技術>黒鉛から酸化処理により抽出した酸化グラフェン(以下GO)は、水中でアルミ粉末の表面に被覆し、その際の酸化還元作用でグラフェンとなります(Al+GO⇒Al2O3+G)。グラフェンの熱伝導率は5000W/Kmにもおよび、アルミの熱伝導率200W/Kmを大きく上回ります。このグラフェン被覆アルミ粉末を焼結したアルミ合金は、従来の金属の熱伝導率を大きく上回ることが期待され、電気モーターやバッテリーの冷却への活用が期待されてます。