教員詳細

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石田 邦夫

情報電子オプティクスコース-電気電子分野

石田 邦夫教授

Ishida Kunio

研究のテーマ

半導体光物性と過渡ダイナミクスの量子論。
量子情報理論を用いた多体量子系解析およびスーパーコンピュータを用いた数値計算を主な手法とする。

研究内容

現在われわれは、物質に光を当ててから約10フェムト秒(100兆分の1秒)~1ピコ秒(1兆分の1秒)の間に起きる超高速な物性変化に興味を持っています。こうした極短時間に起こる物性変化においては物質の量子力学的性質が顕著に現れ、古典力学には出て来ない量子もつれなどの性質が重要な役割を果たします。
最近の研究により、こうした現象の解明には量子情報理論を用いることが有効であることがわかってきました。光が物質中に創り出す量子もつれの生成機構の研究を手掛かりに、材料物性を光によって制御することも考えています。
物性変化の起こる機構(メカニズム)がわかれば、逆に思い通りの物性変化を起こすにはどういう外部刺激(外場)を加えればよいか、理論的に予測できる可能性があります。 こうした研究は、物理的な描像をまずは明確にすることを目的としているため、簡単なモデルをスーパーコンピュータによる数値計算に解くことで進めています。しかし、現実に存在する物質において精度のよい結果を得るにはこれだけでは不十分です。
そこで、第一原理電子状態計算という手法を用いてより現実の物質に即した研究も進めています。現在は光デバイス材料として知られているGaNや、次世代デバイス材料として注目されている遷移金属ダイカルコゲナイド(Transition Metal Dichalcogenide)について、励起子と呼ばれる量子状態の物性を調べています。

石田 邦夫-JPSHO_67_3_s

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