2023.09.13
電気電子
EUV光源の世界最高変換効率(理論値)10.3%の達成 ― 超微細の先端半導体製造の省エネ化にブレークスルー ―
【発表のポイント】
•波長13.5 nmのEUV光源の高効率化に関する研究です。
•炭酸ガス (CO2) レーザー生成スズ (Sn) プラズマが放射するEUV変換効率を放射流体シミュレーションで調べました。
•従来の理論限界 (7% ~ 8%) を大きく超え、理論上限が10.3%であることを明らかにしました。
•EUV光源の高出力化と省エネ化に向けた高効率化への指針を明らかにしました。
■研究概要
宇都宮大学学術院(工学部基盤工学科)の東口武史教授、米国パデュー大学極端環境物質センターの砂原淳主任研究員、アーメドハサナイン教授、北海道大学大学院工学研究院の富田健太郎准教授、広島大学大学院先進理工系科学研究科の難波愼一教授の共同研究グループは極端紫外 [Extreme ultraviolet (EUV)] 光源の変換効率の理論上限が10.3%であることとその条件を明らかにしました。EUV変換効率の理論限界(上限)は2006年に公表された7%から8%とされており、現在の露光機のEUV変換効率は約5%から6%です。露光機メーカーなどはこれまでの理論限界の7%から8%の変換効率をめざして研究開発が進められています。しかしながら、EUV光源の理論限界(上限)はまだ明らかではありませんでした。
共同研究グループは、現在の露光機のEUV光源方式を理論的に模擬し、2次元放射流体シミュレーションにより、プラズマの初期条件および炭酸ガス (CO2) レーザーの照射条件を細かく検討しました。レーザーの照射条件を詳細に検討したところ、EUV変換効率の理論的上限値を従来の7%〜8%から10.3%と大幅に向上させることができるプラズマ生成条件を初めて明らかにしました。この結果は、消費電力の大きなCO2レーザーの出力を少しでも抑制できることを意味し、EUV光源の高出力化と省エネ化に大きく貢献できると考えています。
本研究成果は、9月11日、米国光学会の学術誌Optics Expressに公開されました。
図1:(a) 放射流体の計算の仕組み
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<本件に関する問い合わせ>
東口 武史(宇都宮大学 学術院(工学部 基盤工学科) 教授)
TEL:028-689-6087
FAX:028-689-6009
e-mail : higashi※cc.utsunomiya-u.ac.jp
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研究者総覧ページ
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研究シーズ集
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