研究・社会連携

2010年にユネスコ無形文化遺産に登録された地域を代表する伝統的な特産品である「結城紬」を、感性情報工学に基づく評価分析などを実施して新たな価値を創造することにより、結城紬産地の活性化を支援する取り組みに協力しています。

本プロジェクトは、文理融合による新たな研究スタイルとして、衣生活を中心に生活環境学に関する研究教育に取り組んでいる共同教育学部の佐々木和也教授と、感性評価に基づいた質感伝達技術の研究を行っている工学部の石川智治教授が立ち上げたプロジェクトです。

また、消費者向けの機能や生産工程をサポートする機能を持たせた「結城紬質感伝達システム」の構築に工学部の森博志准教授も参画しています。

多様な専門分野の研究者が関係団体と協働することで地域貢献を充実させ、日本が誇る紬文化を世界に発信していくことを最終目的として活動しています。

栃木県の特産材である高級石材の大谷石は、住宅用建材をはじめ様々な用途に使われていますが、劣化した場合の効果的なリサイクルは確立されておらず、中には環境中に野積みにされたままになっているものも少なくありません。

「”鉄鋼スラグの改質”による利材化」を研究テーマとしている上原伸夫教授はその研究を通じて蓄積した知見から、地域の課題となっている大谷石廃材を活用した、新しい環境浄化材の創製について研究を進めています。

大谷石は表面近くの劣化した部分を取り除けば再生可能で、この再生過程で産生された粉末と小さな塊の環境浄化材としての再利用可能性に着目し、特別な処理を施さなくても溶存酸素を酸化剤としてシュウ酸を酸化分解できることを見出しました。さらに、処理剤の検討により、様々な有機汚染物質を分解除去できる可能性があります。

大谷石を天然の無機鉱物として活用することができれば、新たなリサイクルルートを創り出すことができるものと期待されています。

1日体験化学教室は、高校生に様々な実験を体験してもらうことを通して、化学の面白さを伝えたいという目的で開催されているイベントです。県内はもとより、東京などの近都県から多くの参加者が集まります。

各研究室に分かれて様々な実験をしっかり体験すると、修了証書が授与されます。化学の最先端に触れられるだけでなく、少し年上の大学生・大学院生から化学に関して様々なことを教わることができるユニークな機会を提供しています。

小さなお子様から大人まで、地域の方ならどなたでも無料で参加可能なアイデアカー・フェスタは、動力源として燃料や電池を使用しない競技車両により、その速さとアイデア、デザインについて競うものづくりイベントです。

参加者には、宇都宮大学工学部が競技用に設計・製作したゴム動力車を作るための部品キットを事前に配布して競技車両を製作してもらい、当日に各自が製作した競技車両を持ち寄り、その速さとデザインについて競います。

参加者が自ら考え企画・設計し、製作する喜びと完成させる満足感を味わい、競技会を楽しんでいただくことで、ものづくり教育の一助を担うことを目的として、宇都宮大学の陽東キャンパスの体育館で毎年開催しています。